・物を持って移動出来ないストレス
車いすの生活になって初めて分かったことですが、車いすでは、思うように物が運べないんですね。
車椅子ユーザーならば当たり前のことなんですが、物を持って移動するという事は、車いすでは出来ません。こんな当たり前のことを健常者だった頃には、考えもしませんでした。しかし、なんとまあ不便な事でしょう。
台所から、お皿を持ってダイニングテーブルへ運ぶ、コーヒーを淹れてリビングへ運ぶ、携帯を持って移動する、ちょっとの距離でも、片手で物を持てば、真っ直ぐ進むことは出来ません。
物を持って移動することができないのは、車いす初心者の私には物凄いストレスとなりました。何か解決できるものがあるのだろうと、あれこれ見てみましたが、これだ、というものがありませんでした。
みなさん、物が持てないストレスを解決する方法があったら、教えて下さい。
・どんなものが便利なんだろう
ひとまず自分なりに解決するべく、構想を練ってみましたが、ラップトップデスクのようなものがあれば、小物を載せて移動するのに具合いいのでは、と思い、試作をしてみました。
材料は、5mm厚の透明アクリル板で、服の色に馴染むように。天板部分は、40㎝×18㎝とコンパクトにして、移動の邪魔にならないようにしました。表面にコルクを張り付けて滑り止めにしています。高さ7㎝程の足を付けて、太ももを挟むようにして、足の上に載せるようにしました。幅は広い方で32㎝、狭い方で29㎝として、足にフィットする様に斜めになっています。ヒンジで付いているので、畳めばフラットになって、持ち運びやすいようになります。
結構しっかりとももの上に取り付けられ、ぐらぐらはしません。私は足が開いてしまう傾向があるので、それを防いで、座っている姿が綺麗になるというおまけもついてきました。
使い心地は、ベリーグッド!必要な時にサッとつけて、パッとしまえます。アンダーネットに入れておけば、いつでも使えます。たったこれだけフラットのテーブルがあるだけで、コップやお皿、携帯や書類やボールペン、小物を載せて両手で車いすがこげるので、移動の邪魔になりません。
我ながら便利だわぁ。
使い始めて2カ月程経ちましたが、ヒンジ部分も壊れることなく使用しています。あまりにも具合いいので、室内用に作ったのですが、お出かけの時にも車のドアポケットに入れて持ち運ぶようになりました。
みなさん、どのような物を使っているのでしょうか?便利なものがあれば教えてください。
私の方法、いいね!欲しい!と思った方がいらっしゃいましたら、材料費のみでご希望のサイズで作りますので、Contactからご連絡ください。
・その後・・新たな出会い
ラップトップデスクを欲しかった時、アマゾンやら、楽天やらでラップトップデスクを探しましたが、車いすで使えそうなものは見つかりませんでした。しかし、海外のメーカーで、車いすでの使用を想定したラップトップデスク兼ラップトップバッグがありました。
その名も、Trabasack 。どうしても気になったので、メーカーに連絡をしてみたら、日本でも送りまっせ、販売してみるかい?という温かいお言葉。
とりあえず、サンプルを兼ねて全種類購入してみました。
Trabasack はMini,Curve,Maxという3サイズのラップトップデスクバッグがあり、どのモデルも片面がフラットなので、ラップトップデスクとして使えます。裏返せば普通のバッグが足の上に載せてあるように見えるので、見た目もスマートです。
どのモデルにも何か所かループがあるので、付属のワンタッチバックル付きのストラップで、車いすや体に固定が出来ます。肩からカバンをかけて移動することの無い車いすユーザーには、肩バンドだけでは、車いすの後ろに下げるしか持ち運ぶ方法がありません。
ループが沢山付いているので、車いすに付けてあるバンドとバックルで接続すれば、落とすことなく、目に見える場所にバッグがあり、財布の取り出しなどが直ぐに行えます。
私は、ちょうど財布と携帯、icosやA4の書類が一緒に持ち運べるバッグを探していたので、更にラップトップデスクになるなら、一石二鳥であります。
私はTrabasackシリーズの中でも、Miniが丁度いい大きさで、お気に入りになりました。今までは足がいつの間にか開いたり、振動でバッグを落とす事が多く、ストレスになっていましたが、これなら坂道や振動の起こる道でもバッグを落とす心配はありません。
目に見える所にいつもあるので、安心ですし、素早く開いて中の物を取り出せる。おまけにラップトップデスクになって、書き物をしたり、小物を載せて移動できます。
ああ、こりゃ便利だわぁ!
もう少し荷物が多ければCurve, 大量の書類や、一泊ぐらいならMax。早くそんなシチュエーションがくればいいですね。バックルで付け替えてね。パチッと。
マウンテントライクにもストラップを取り付けておけば、便利に使い分けられること間違いなし。
どこに行くにも、車から降りたらサッとバッグを取り出して、パチッとバックルで固定。コンビニやスーパーでも商品を載せてレジまで行って、パッと財布を取り出してお会計。商品を再び載せたり、中に入れてスマートに移動。またパチッと外して車の中へ。バッグを落としたり、バックレストから外したり付けたりというストレスは皆無です。
こうして、私の力作、オリジナルラップトップデスクは、早くもお出かけの出番が無くなったのでした。
フィット感があるCURVEシリーズ
たっぷり入るMAX 絶妙なサイズ感で車いすに丁度良い
というわけで、私は、自宅では自作のラップトップデスクを使い、コーヒーやテレビのリモコン、お皿などを載せているので、常に身に着けています。
外出時は、財布やスマホ、書類等を入れてTrabasackを持ち歩いています。
皆さんにお届けしたいという事で、Nico MobilityではTrabasack も商品ラインナップに加えることになりました。
皆さんにも是非、ラップトップデスクバッグを使って、便利なお出かけをしていただきたいです。
NicoMobilityのウェブサイトでTrabasack をどうぞご覧になってください。