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eTrike で登山を楽しむ


 今回は、eTrikeでスキー場の斜面を使って登山に挑戦します。スキー場には大抵管理用道路があるので、マウンテントライクで登って遊ぶには最適です。許可を取ってくださいね。どこまで行けるかは行き当たりばったりです。ひとりでの登山は本当はお勧めしませんが、車椅子で山の中にひとりで入るのは、本当に楽しい経験です。


 スタートは標高1300mの戸隠スキー場駐車場。ここは舗装もされており、年中開いている車椅子対応のトイレ(大型の電動車椅子は入れないかも)もあるので出発地点としては最高のロケーションです。付近には夏に楽しめるトレッキングコースも沢山あり、飯綱山や瑪瑙山、毛無山への登山のスタート地点でもあります。

 ここは私にとって、娘と山登りを楽しんだり、戸隠トレイルランのスタート&ゴールでがんばったり、冬はパトロールやスキークラブでお世話になった、正に地元の山ベースとしているホームグラウンドであります。

 車椅子生活になっても素晴らしいフィールドとして、心の支えとなっている場所です。


 車を駐車場に停めてeTrikeを下ろします。MT TrikeからeTrikeにアップデートしてから少し重くなり、車に積むのが大変になりましたが、アマゾンで100㎏用のちっちゃいチェーンレバーホイストを発見して即購入。これが大活躍してeTrikeやパンドーラP3などの片手で持ち上げられない機器も、かちゃかちゃとやっていれば荷台へ登っていく便利なレバーホイストなのでした。ロープ滑車を使うより楽になりました。


 スタート地点はここ。スキー場管理用道路を登ります。普段はチェーンがかかっています。登山道でもありますが、車での立ち入りはできません。

目指すは左奥に霞んでいる瑪瑙山。どこまで行けるかな。



 登り始めてしばらくはきれいな砂利道が続きます。斜度としては初心者コースを登っていくので一番緩いはずで、スキーでは平にすら感じます。しかし、いざ登ってみるとなかなかきつい。やはり一般道よりは斜度があり、距離が長いので既にゼイハァゼイハァしています。電動アシストレベルは3くらいで丁度よく、適度な有酸素運動になります。ここは以前電動アシストが無かった時にも登りましたが、どうやったのか既に思い出せません。人間楽なものには直ぐに慣れますが、それもまた直ぐに辛く感じるのでした。


 登り始めなので休み休み1㎞ほど登り、振り返ると戸隠山がデーンと壁のように鎮座して見えるポイントに着きます。少し登っただけで山はきれいに見えます。ここまででも登る価値はあります。


夏の戸隠連邦。今年は7月でも所々に雪渓が。

冬はさらに迫力があるので、是非スキーへお越しください。デュアルスキーレンタルもありますよ。


 道の石は大きくなって角がでてきます。振動がすごいです。斜度も所々きつくなってきました。さすがに汗がでてきて、ゼイハァが止まりません。ひたすらドライブレバーを押して前に進みます。普段使わない筋力なので、なかなか辛いですが、トレーニングと思ってがんばります。誰もいないですが。


 三脚にスマホをセットして動画を撮ればよいのですが、ひとりなので行ったり来たりする余裕がなく、首から下げてひたすら登ります。見にくくてすみません。


ひたすらドライブレバーを押して進みます。アシストは効いていますが、それでも大変。

しっかり運動にはなります。


 既に1時間ほど漕ぎ続けているでしょうか。やっと第六リフト乗り場が近づいてきました。ここで小休止しますが、ここは、瑪瑙山方面と毛無山方面の分岐点となります。今回は瑪瑙山方面に進むので、お仙水コースに向かいます。


ここまで来ると、だいぶ涼しくなってきました。瑪瑙山頂へ向かうリフトです。

リフト沿いに一気に登ります。


 お仙水コースに入ると、斜度はぐっと上がります。こんなに急だったかな?スキーで滑るとあっという間ですが、登るとなると話は違います。

 途中で止まると後ろに滑り始める場所もあり、とにかく止まれる所まで休まずに漕ぎ続けなければなりません。ちょっと緊張感が出てきました。腕力と握力が限界に近づいています。帰ってこれるのか?下りは止まれるのか?と思いながらも、もう進むしかありません。アシストレベルは最大の5。これで登れなければ後ろに滑り落ちていくので焦ります。転んで再乗車できなければ、誰か通りかかるのを待つしかありません。


ここからは斜度が上がります。降りれるのか?もう行くしかない。


 途中、止まるとやばいよー。という場所が何か所かありましたが、何とか標高1540m地点の鞍部、いわゆるお仙水コースの壁の上部に出ることができました。

 途中の辛い場所では写真を撮る余裕もございません。なので最大斜度の核心部は写真も動画も無しです。すいません。登りでも冷や冷やでしたが、下りはもっと怖いことまちがいなし。     

とは言え、一気に登った感があります。下りの事は考えずに景色を楽しみましょう。

 いやいや涼しい。ここが目標だったので、まあ満足満足で一服。

ここまで約2時間。なんとかお仙水の壁上部に到着。雲が近く涼しい風が吹き抜けて気持ちいい。

アウトドア用車椅子なら、こんな景色を自力で楽しめます。


 バッテリーもほとんど残量がなくなりました。しっかり充電したわけでもなく、満タンのようだったのでそのまま持ってきました。距離にして5.4km表示ですが、ほとんどフルパワーで登ってきたのでしょうがないですね。更に距離を延ばす時は予備が必要です。余裕を持って下りたいところですが、せっかく来たのでもうちょいどこまで行けるか試してみましょう。なのでお仙水コースを更に登ります。


 山頂まであと目視で1㎞位ですが、ここからは斜度がぐっと上がります。明らかに登りも下りも無理そうなので、ここまでと決めました。

 

ここから山頂にチャレンジする時は、誰かにサポートを頼んでロープで確保してもらわなければなりません。でも、山頂も視野に入り、サポートがあれば行けそうだというフィーリングも得ることができました。次回の楽しみにしましょう。

 

山頂のリフト降り場が見えていますが、今回はここまで、バッテリーもほぼゼロになってしまいました。

ここから先はロープサポートをお願いする必要があります。


 ここからはいよいよ下りです。バッテリーはほぼゼロですが、下りだけなので気にしません。お仙水コースは気持ちよく下って行けそうです。さっきの鞍部まで戻ります。見事な景色に別れを告げていよいよ一か八かの急なくだりに挑みます。


いよいよ下ります。草地はグリップもよく、斜度も適度で楽しく下れました。



 ここからしばらく迂回コースを下りますが、ここが結構な斜度で登ってくる時は苦労しました。道から外れれば落ちます。マウンテントライクは後輪が舵になっているので、後輪が浮くとハンドルが効きません。後輪が浮くと簡単に横を向くので、良ければ転倒、悪ければ崖へ落ちそうです。一人ですから、再乗車にかかる労力と時間を考えれば絶対に転倒できません。道から外れれば、見つけてもらうまで何か月かかるかしら、携帯通じなさそうですし(汗)。

 フルブレーキで握力がどんどん無くなっていきます。姿勢は後輪荷重の為にほぼ寝ている状態です。頭を上げると後輪が浮くくらいぎりぎりなので、頭もできるだけ寝かせて後ろに重心を持っていきます。この姿勢でノロノロ下っていく姿は、かっこ悪くとてもお見せできません(笑)。というか止まれません。撮影なんてもうどうでもいいです。

 車輪がロックすれば一気に速度が上がるのでブレーキ操作に集中します。ハンドルがほとんど効かないので、左右のブレーキの強さをわずかに変えてまっすぐ下りるように握力のなくなった手で調整します。

 傍から見れば、何てこと無い下りなのですが、足を踏ん張れない体で下り坂に挑むのは、想像以上に恐怖心があります。いざという時に足を出して止めたり支えたりもできません。マウンテントライクは車椅子としての実用性や小回り性能も重視しているのでホイールベースが短く、リアタイヤが持ち上がりやすいので急な下りは苦手です。


 誰一人いない山の中で動けなくなるのはやだー。携帯通じればいいなー。おかんに怒られるだろうなー。頭の中にはそんなことが浮かびます。。今までも暗くなった山の中までおかんに助けに来てもらったこともありますけど・・(笑)。


とにかく慎重に。難所は歩く速度より遅くじりじりと下っていきます。

ずっとフルブレーキで握力が・・。後ろにのけぞった状態で休むこともままなりません。


 一番急な斜面の場所は、道を外れて草むらを進むことにしました。これはガレた道でタイヤが滑り始めると止められないので、草の抵抗を利用して速度を落とすためです。ですが、いざ草地に入ると下が全く見えません。目線まで草に埋まります。これはこれで怖い。前に進むのも大変で、いざ前に出るとズドンと落ちるように進みます。ここで転べば秋の草刈りまで誰にも気付かれません。前にも行けない。こっちもヤバかったと道に戻りたいですが、斜めに斜面を進むの無理なので戻れません。何も見えませんが、草に身を任せてまっすぐ降りることにしました。



急斜面は草むらに逃げました。今度は前にも進めませんでした(笑)

もう一度道に戻って滑り落ちていくのでした。


お仙水コースの難所を越えれば、あとはビクトリーランです。ひとりで盛り上がります。

再び戸隠山が迎えてくれます。景色を楽しみながら下りますと言いたいところですが、振動が激しくアヤヤヤヤという感じです。握力も限界で長い下りを休み休み下りました。



戸隠山が迎えてくれます。斜度も丁度よくなりビクトリーラン気取りです。

ここまでくれば転んでも誰かに見つけてもらえるだろうと調子に乗ってスピードをあげますが、振動が激しい。


 再び駐車場に戻るとほっとしました。このほっとした感がやめられない。

 舗装路を電動で進みますが、パワーが無く、ちょうどバッテリーを使いきった状態です。走行距離12.2㎞、標高差240m、約4時間のプチ冒険でした。まだまだ遊びに行ける登山道や遊歩道は沢山あります。ちょっとずつ開拓していきたいです。

 

今回も自分で遊ぶことを優先して、写真や動画がきちんと撮れませんでした。この辺が問題です。見にくく、つまらない動画ばかりで、しかもeTrikeが全く映ってません。申し訳ありません。


eTrikeは戸隠観光協会を通じてレンタルが無料で可能です。最初はご家族や仲間と安全に楽しんでください。遊び場所のご相談も、もちろん大歓迎です。ぜひマウンテントライクの世界を体験して頂きたいと思います。お待ちしております。


eTrikeのイメージ画像は、外人さんでかっこよく

もちろん私はもっとみすぼらしく、自分で遊んでばっかり




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